| |
露出補正とクロスフィルター |
 |
|
冒頭からイルミネーションを被写体にしたいくつかの写真を見て頂きましたが、それぞれに少しこだわった部分、使用したフィルターなどを解説していきたいと思います。
イルミネーションや夜景を撮るときにストロボやフラッシュは使いません。しかし、暗い場所でストロボなしで撮影すると光量が不足してシャッター速度が極端に遅くなるので極端に手ぶれが起こりやすくなります。いくらカメラやレンズに手ぶれ補正機能がついていても、それでは間に合わずに写真はブレブレになってしまいます。そのため、ブレを抑えるためには三脚がつきものになるのです。レリーズもあった方が良いでしょう。レリーズについては「第6回 NDフィルター(2) NDフィルターを使った撮影の手順」で使い方を紹介しています。
三脚がないときはテーブルや手すり等にカメラを固定する手もありますが、カメラを完全に固定することが難しかったり、構図に制限ができるので、三脚がベストですね。ただし、三脚が他の来場者にあたったり、転倒の原因になることもあるので十分に注意し、迷惑にならないようにしましょう(三脚が禁止の施設や寺院などもあります)。
前置きはこれくらいにして、カメラが固定できることを前提にした上で撮影テクニックの話に戻しましょう。イルミネーションや夜景を撮るときに特にポイントとなるのが、露出補正とシャッター速度、レンズフィルターです。それから色温度の知識が少々。これをポイントにイルミネーション撮影の話を進めていきましょう。
まず、作例01の「観覧車のある光の都」です。この景色も実は、一眼レフとはいえ、ただ構えてシャッターを押しただけでは下のような写真(作例08)になってしまいがちです。
イルミネーションはきれいではありますが、おそらくもっとキラキラに輝く写真が撮れることを皆さん期待したはずです。こういう写真になってしまい、少しガッカリした経験があるでしょう。目で見た実際の光景も、きっともっと煌びやかに感じていたはずです。
こういうときは露出補正をプラスに設定します。セット操作の方法はカメラによって異なりますのでマニュアルを読んでください。露出補正をプラスに設定すると、光量が増えて写真全体が明るくなります。とくにお店の明るさが写真に入ってくるので、町並みのような印象の部分はかなり明るくなったように感じます。
| 作例09 |
シャッター速度 1/5秒 RAW EV0.7 |
|
|
露出補正で明るくしすぎると(プラスにしすぎると)、光の部分が白飛びしてしまうので注意しましょう。次に、ひとつひとつの灯りを大きくすることで一層のキラキラ感が出ます。フィルターの出番ですね。
フィルターで灯りを大きくするには大きく分けて2つの方法があります。ひとつは灯りに光の線「光条」を付けることです。使用するフィルターは「クロスフィルター」です。
実は、クロスフィルターがなくても絞り込むことで光条は付けることができますが、クロスフィルターを装着する方が確実です。クロスフィルターについては「第9回 キラキラの光を演出する クロスフィルター」で解説しているので、詳しくはそちらを読んでください。
というわけで、クロスフィルターを装着して撮影しました。
| 作例10 |
クロスフィルター装着 シャッター速度 1/3.3秒 RAW |
|
|
大きくて強い灯りのライトには光条がはっきりと表現されますが、小さいライトには効果があまりないのでは? と思われるかも知れませんが、小さいライトにもちゃんと光条が出ているので、クロスフィルターによって全般的に明るくなっていることが解ります。
さて、ピントは観覧車に合わせてあるので、絞りを開けると観覧車以外のライトはボケて一層大きくなります。更にクロスフィルターによる光条でもライトの灯りはイメージ的に大きくなっていますので、シャッター速度を更に遅くするとまぶしいくらいに光輝く光都を撮影することができます。
| 作例11 |
クロスフィルター装着 シャッター速度 1秒 F2.8 RAW |
|
|
いやいや、やり過ぎな例ですが、写真でなければ見られない世界でもあります。
きれいな三日月がウルトラの星や巨人の星みたいにピッカピカに輝いちゃってますね(汗;)。
|